社労士事務所と実務について

■ 社労士事務所について

街を歩いている時、『○○弁護士事務所』や『××法律事務所』、税理士の場合『○○税理士事務所』や『××会計事務所』など見かけることがよくありますね。
一方、『○○社労士事務所』というのはあまり見かけることがありません。
多くの場合、社労士事務所の顧客は企業の経営者となり、一般の人にはあまり関わりがないため、看板を掲げていない事務所も多いようです。
ではあまり見かけることのない、社労士事務所ってどんなところでしょうか?

 

少数精鋭で運営している個人事務所方

社労士事務所の多くは、個人事業主である社労士一人か、数名のスタッフといった少数精鋭で運営しているようです。社労士の仕事というのは書類の作成が多い仕事ですし、接客が頻繁にあるというわけでもありません。ですので、自宅をそのまま事務所にしている先生もいれば、マンションの一室を借りて事務所としている先生もいます。
特に、社労士の関係の深い行政官庁、「労働基準監督署」や、「公共職業安定所(ハローワーク)」、「年金事務所」の近くに事務所を構えるケースが多いようです。書類を提出するのに、近いほうが便利ですからね。ですが、届け出の電子申請が増えてきた今、その傾向も薄れていくかもしれません。

 

組織力を活かした社労士法人とは?

上記のように小規模な社労士事務所とは対照的に、組織力を武器に展開する、比較的大所帯の社労士法人というものがあります。社労士事務所は2以上の拠点を持つことができませんが、社労士法人であれば全国各地に複数の事務所を持つことが可能です。大勢が集まることで、それぞれが得意分野を発揮し、また不得意分野は補い合うというメリットがあります。税理士や行政書士など、他業種の有資格者が常駐していることもあるようです。

 

■ 社労士の実務について

社労士が「報酬を得る」ためには、社会保険労務士法で許された業務であることが必要です。法律で定めてあるものは、大きく分けて3つ。社会保険労務士法第2条の第1号から第3号に記載されているため、それぞれ「1号業務」、「2号業務」、「3号業務」と呼ばれています。

 

1号業務

1号業務の内容は、労働・社会保険諸法令に基づいて申請書、届出書、報告書を作成し、提出の代行を行うこと。一言でいうと「書類の作成、代行業務」です。
事業を設立したときには、労働基準監督署へ就業規則の届出や、ハローワークへの『雇用保険被保険者資格取得届』の提出が必要になりますよね。これらの業務を社労士が代わって行うことが法律で認められているのです。

 

2号業務

2号業務は、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成をすること。
労働者名簿や、賃金台帳の作成やタイムカードなど、会社に保存義務のある書類を作成します。

 

3号業務

3号業務は、「事業における労務管 理その他について相談に応じ又は指導すること。いわば、「コンサルティング」です。会社の経営のために、改善すべき点はあるか、あるとしたらどこか、どう改善するか、を考えて会社の社長さんに提案してあげることが多いです。会社の資金繰り、人員配置についてのアドバイスを行うケースが多いようです。
1、2号業務は社労士の独占業務ですが、3号業務は社労士でなくても行うことができます。

 

このように、社労士は、労働者の入社から退社までを通しての社会保険手続き全般の業務や、人事や労務に関する業務と相談業務を行います。時には経営者の手足となり、また時にはよき相談者となって、企業経営をサポートしていきます。
その他にも本を書いたり、セミナーを開催したり、年金相談員やスクールの講師になったり…と社労士の実務は多彩です。

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